「日本人が冬のアリゾナを好きになるのは、暖かいからだけではない。
光がきれいで、空気が軽くて、贅沢が静かだからだ。」
冬のアリゾナは、
“避寒地”という言葉だけでは足りない。
日本の冬は好きだ。でも、寒さが続き、空が重く、身体まで少しかたくなってくる頃、 ふと“明るい場所に行きたい”と思うことがある。そんなとき、ハワイや沖縄のような南の海ではなく、 もっと乾いていて、もっと景色が大きくて、もっと静かな贅沢がある場所を求める人に、 アリゾナはとても強い。
フェニックスやスコッツデールは、冬になると空の青さがよく効く。サボテンはくっきり立ち、 ゴルフ場の芝はやわらかく見え、ホテルのテラスでは朝のコーヒーが妙においしい。 しかも空気が乾いているから、暖かさがベタつかない。陽射しはあるのに重くなく、日陰に入るとすっと引く。 この「軽い暖かさ」が、日本人にはかなり心地いい。
さらにアリゾナは、ただのリゾートでは終わらない。セドナの赤い岩、グランドキャニオンの冬の透明感、 フラッグスタッフの山の空気、夜の星空、先住文化の深さ。暖かさの先に、旅としての厚みがある。 だからアリゾナの冬は、逃げるための旅ではなく、好きになるための旅になる。