「Arizona Route 66 は、道路そのものより、
道路沿いに残っている時間が美しい。」
Arizona Route 66 は、
“走る”より“残る”道だ。
Route 66 という言葉には、最初から少し物語がついている。地図の上の一本線というより、 失われたアメリカ、古いネオン、ロードサイドの diners、写真に撮りたくなるモーテル。 そして Arizona 区間は、その Route 66 的なイメージをいちばん美しく形にしてくれる場所のひとつだと思う。
理由は簡単で、この州には空がある。砂漠の広がりがあり、夕方の光があり、夜の闇がある。 だから、ただの看板も、ただの motel sign も、暗くなったとたんに映画のようになる。 しかも町ごとの性格がはっきりしている。Holbrook は icon lodging、Winslow は格のある歴史旅、 Flagstaff は高原の Route 66、Williams は歩ける nostalgia、Seligman は保存の魂、Kingman は neon motel の夜。 どの町も少しずつ違い、その違いを拾いながら走ると Arizona Route 66 は急に深くなる。
日本人旅行者にも、この道はかなり相性がいい。派手に騒ぐ旅というより、細部を大事にする旅だからだ。 どこで泊まったか、何を食べたか、夜にどの看板を見たか。そういう記憶が積み重なって、 ただの road trip が少しずつ“持ち帰れる物語”になっていく。